サブカル

黒川文雄サブカル黙示録:オタク遺伝子の伝承 独ニュルンベルク国際玩具見本市(2)

「独ニュルンベルク国際玩具見本市」で人気を集めた「航空模型」のブース音楽、映画、ゲーム業界などの表と裏を知りつくすブシロード黒川文雄副社長。今回は、番外編として、ドイツのニュルンベルク・メッセセンターで5日(現地時間)から開かれた玩具展示会「ニュルンベルク国際玩具見本市」をお伝えします。◇ ◇「第60回ニュルンベルク国際玩具見本市」であるが、主催者によると出展社は前より200社以上増えたそうだ。地域別にはアジア圏からの出展増が著しく、陰りは出てきたものの中国、ベトナム、台湾などのアジア諸国の台頭を感じさせる。当然ながら従来はアメリカや日本といった先進国の「工場」として腕を磨いてきたアジア諸国だが、先進国の経済的低迷に伴う受注の激減などを受けて、今後はオリジナルで勝負をしようという考えがあるのだろう。しかし、いまだあか抜けないアイテムや、いかにも技術的なコピーをした商品が多く、成功までの道のりはまだ遠そうだ。しかし、このような新興国や新規出展社の中から大企業に発展することもあるわけで、その意味ではこの展示会は彼らのとって大きなビジネスチャンスとなることには間違いない。今回一番の熱気と人口密度を誇ったのは、ホール4、5、6である。「鉄道模型」と「航空模型」(ラジコンを含む)「ミニカーなどのスケールモデル」が展示されている。日本では一部の熱心なマニアのためのホビーとして受け入れられているようだが、ここドイツ、ひいてはヨーロッパでは大人の玩具としていまだ根強い人気を誇っている。来場者のほとんどが、大きなジオラマやレアモデルの前に立ち尽くし、ほおを緩ませ、うっとりとしたまなざしで目の前に飾られた商品を見ている。中には大型のカメラを抱えて写真を撮っている人もいる。もちろんプロのバイヤー参加を前提にしたイベントであるから、彼らが必要に駆られて撮影していることも考えられるが、「本能のまま関心のあるアイテム展示を目指して活動している」という感じだ。車、飛行機、船、などに関して言えば、決して非日常的なものではない。むしろ幼少期に接するものとして、車に関しては男の子にとっては趣味の「踏み絵」のような存在であることは海外も変わりはないだろう。そこに来て、かつて一斉を風靡(ふうび)した名車など、現在では完全なカタチで入手できないものをミニカーなどのスケールモデルで入手できることが彼らを突き動かしているのではないだろうか。私は偶然、ニュルンベルグ空港のロビーで展示会の内容を紹介するガラスケースの前に立った。すると未就学児童と思われる現地の子供がどこからともなくやってきてウインドの前で立ち止まり、ジーっとガラスケース内の「働くクルマ」を見つめている。おそらくは父と子の趣味が「一子相伝」というのはこのようなことではないか。「親の背中を見て子供は育つ」と言う。日本で玩具(おもちゃ)といえばキャラクターが使用されたテレビ連動型のおもちゃを思い出すし、女の子の玩具も同様だ。しかし、ドイツではやや趣は異なる。おもちゃの市民権はいまだ大人のものなのだ。そこに子供が入り込む余地はあまりないように思う。日本のように安易にキャラクター、ビデオゲームなどに流されない環境や文化があるようだ。ドイツでは、大人が行くようなレストランには子供の同行が許されておらず、「キンダーレストラン」という限定的なレストランに限られるという。完全な父権社会とはいわないまでも、この社会の構図が大きく変わらない限りドイツの玩具は大人の趣味として、これからも反映してゆくことと思う。なぜならば、子供は大人の姿を見て成長するから。そこには、ブランドやノウハウに裏打ちされた職人と消費者の信頼関係があるからだろう。筆者プロフィルくろかわ・ふみお=1960年、東京都生まれ。84年アポロン音楽工業(バンダイミュージック)入社。ギャガコミュニケーションズ、セガエンタープライゼス(現セガ)、デジキューブを経て、03年にデックスエンタテインメントを設立、社長に就任した。08年5月に退任。現在はブシロード副社長。音楽、映画、ゲーム業界などの表と裏を知りつくす。

[引用元:毎日新聞]

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